必要な人に必要な支援を「令和6年能登半島地震 支援情報ナビ」

第1回: 妊婦さんは要注意!「ジカ熱(ジカウイルス感染症)」とは?

近年、中南米を中心に流行している「ジカ熱(ジカウイルス感染症)」。この病気は、妊婦さんが感染するとお腹の赤ちゃんに影響が出る可能性があることから、特に気をつけたい病気です。
ニュースなどで「ジカ熱」を知った方もいると思いますが、詳しい知識のある方はまだ多くはないのではないでしょうか。

そこでこれから3回にわたって、気をつけるべきポイントについてお伝えしていきます。
今回はまず、「ジカ熱」がいったいどんな病気なのか、その基本的な知識です。

「ジカ熱(ジカウイルス感染症)」とは?

 
「ジカ熱(ジカウイルス感染症)」は、ジカウイルスを持った蚊を介して感染・発症します。
主な症状は、軽度の発熱・発疹・結膜炎・筋肉痛・倦怠感・頭痛などで、蚊に刺されてから多くは2日後から7日後に発症すると言われています。
感染しても8割の人が発症せず、また発症しても症状が軽く、気付きにくいこともあるようです。「ジカ熱」は、同じく蚊を介して感染する「デング熱」「チクングニア熱」などよりも軽症だとされています。

どのように感染するの?


「ヒトスジシマカ(国立感染症研究所)」

「ジカウイルス」を持った蚊に刺され、吸血されることによって感染します。
基本的には、感染した人から他の人に直接感染するような病気ではないそうです。ただ、輸血や性行為によって感染する場合もあります。
感染を媒介する蚊は、ヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカが確認されています。ネッタイシマカは日本にはいませんが、ヒトスジシマカは日本のほとんどの地域(秋田県や岩手県より南の地域)に生息するため、注意が必要です。

 

妊婦さんが感染するとどうなるの?

現在も専門家による調査研究が続けられていますが、母体からお腹の赤ちゃんに「ジカウイルス」が感染すると、赤ちゃんに「小頭症」(脳の発育が進まず頭が小さくなってしまう病気)などの先天性障害を引き起こす可能性があるとされています。
世界保健機構(WHO)はこの「ジカ熱」に関して、2016年に妊婦は流行地域への渡航をしないよう勧告を出しました。WHOはまた、流行地から帰国したパートナーとの性行為にも充分な注意が必要であるとしています。

妊婦さんや、妊娠を考えている方のジカウイルス感染症流行地への渡航などは、最新情報を確認しながら、充分に注意されることをおすすめします。特に、今年8月にブラジルで開催されるリオデジャネイロオリンピックに関連して南米地域への渡航者が増えると予想され、充分な警戒が必要だと言われています。

(監修:厚生労働省)


ジカウイルス感染症に関するQ&A(厚生労働省サイト)

  次へ>